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a0354024_08110240.jpg3月14日に掲載された会員投稿記事「生まれ故郷 ハルピンへの旅に、731部隊のことが書かれています。明治維新以後に日本がアジア諸国で犯した暴虐はたくさんあります。負の歴史を出来れば国民は見たくありませんし、政府は積極的に隠そうとします。とりわけその中でも「従軍慰安婦」「南京虐殺」とともに、無かった事にしたい歴史が「731部隊」です。先日も、731部隊の被害関係者が日本での集会に出席するために上海に集まったのですが、入国ビザが理由を開示されないまま発給されず、裁判が起きています。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/293310 会員以外でも3分間のハイライト動画は見られます。


ベトナム戦争に反対していた頃、化学兵器・生物兵器の問題からだったでしょうか、731部隊の事はうすうす知っていました。その後、調査でよく利用した千葉県の宿舎の管理人が731部隊の生き残りと知り、遠い地の昔の話ではない事を感じます。森村誠一著「悪魔の飽食」が出て、人体実験の事が広く知られる前の事です。部隊長である石井軍医中将は千葉県の出身で、秘密保持のために必要だったのでしょう、故郷から多くの人を部隊のスタッフにしたと言われていて、管理人はその一人だったのかもしれません。。軽井沢の友人で子供の頃、731部隊の責任者 石井中将の家族を知っていて、戦後すぐに石井部隊長が占領軍将校相手に行っていた怪しげな旅館の話を聞いたこともあります。負の歴史を語りたがる人は少ないため気づかないままに過ごしていますが、特に調べて回ったわけでもなくても、ただ意識しているだけで案外身近に関係するものごとを見出します。


若いころ、母親の手術に必要な輸血を集めるために、親戚の何人かとブラッドバンク(ミドリ十字)に行ったことがありました。現在のように、日赤の献血ではなく、民間の血液銀行に出向いて「預血」するシステムと、「売血」によって輸血用血液が供給されていました。売血で集められた血液は、「黄色い血」と呼ばれ、血を売って暮らしている人の血は採りすぎでうすい上に肝炎の危険が高いものでした。ミドリ十字は、731部隊の重要メンバーであった内藤良一軍医中佐らによって作られ、国策で行われた売血制度によって利益を得て成長した企業です。暴力団が絡んでいたり、肝炎対策がなされていなかったために多くの被害者を生みますが、1964年にライシャワー大使刺傷事件が起きるまで改善の動きは大きくなりませんでした。65年頃、高校の生徒会で行った「日赤の献血」協力が、私にとって最初の社会運動でした。ミドリ十字はその後も血液製剤を作り続けて、薬害エイズ事件を引き起こします。信州沖縄塾の創立にともにかかわったメンバーの一人も、その被害者でした。


「悪魔の飽食」が出版された当時も、負の歴史を修正しようとする勢力からバッシングが起きました。歴史を改竄しようとする動きは、戦争を出来る国にする動きと連動しています。教科書問題で日本会議や文科省に見られるような中央の大きな動きばかりではなく、身近なところでも被害を受けた国の人々から負の歴史を指摘されたくないという気持ちが、嫌韓嫌中意識になって、猛々しい対立感情に結びつきます。軽井沢の歴史同好会に加わっていますが、歴史愛好者の間でもその傾向は強く、アジア侵略は西洋列強の植民地支配から脱するために必要だったという言葉が出てきます。中国の進出に対抗する軍事同盟必要論につながっていきます。


歴史を改竄したいという気持ちは、自分や自国の罪を認めたくないという情緒的な反応に基づいていますので、歴史を装っていても事実を直視しません。しばらく議論すると感情的な反応だけが残ります。どこかできちんとその連鎖を断ち切らないと、さらに被害者を生み出す事につながります。憲法問題や大きな政治の流れの学習と並行して、身近な歴史の掘り起こしや我々の意識の検証が、言葉を磨き地域社会で説得力を持つためには不可欠だと、荒井さんの記事を読んで感じました。


近年、多くの関連書籍が出ています。私が読んだのは「悪魔の飽食」以後は、ちょっと古いですが

常石敬一著 「七三一部隊  生物兵器犯罪の真実」

青木冨貴子著 「731」



by karuizawa9 | 2016-03-26 08:29 | 会員投稿 | Comments(7)